九月六日朝、「秋篠宮妃紀子さまが男児をご出産」というニュースが日本中を、そして世界中を飛び交いました。皇室の男児誕生は四十一年ぶりだとかで、そりゃもういろいろ大騒ぎです。よくよく考えると、サザエさんの単行本にて「皇太子誕生」とかやってた辺りが最後なわけでして、えらいまた間が空いたものです。というわけで、数十年後の天皇誕生日が九月六日となる事が決まりました。未来の少年少女にとっては、夏休み直後の宿題対策にちょうどいい休日となるのではないでしょうか。

まあ、右やら左やらの立ち位置がおありの方々は色々ご意見もあることでしょう。私もそういうスタンスが無いわけではありませんが、とりあえずこの場はそういうのを抜きにして別視点で。

十二日には「命名の儀」という、読んで字の如く名前をつける儀式がありました。「悠仁」というお名前だそうで、「『悠』という字には云々」と、早速薀蓄講座が繰り広げられております。「ゆったりと落ち着いたさま」という意味があり、「ゆったりとした気持ちで、長く久しく人生を歩んでいくこと」を願って命名されたという、そういう話も報道されております。これから暫くは「悠」の名が付く芸能人はお祝いコメントやらで忙しいことでしょう。ただ、ざっと調べた限りではあまりいなさそうなんですよね。作詞家の阿久悠にでもコメントしてもらいましょうか。(追記:仕事場で書いてたんで調査不足だったんですが、そのまんまな悠仁な名前の人のコメントが新聞やらニュースやらに出てましたな)

しかしながら、私も今回の命名に関して一言述べなければなりません。

「パクられた」

かれこれ三年と半年ほど前の事。我が家に次男が誕生しました。予定よりも一ヶ月も早く誕生したため、命名に難儀しました。その時の顛末は当時も雑文のネタにしました。名前をぼんやりと考えているときや、それこそ産まれた後慌てて名前を決めたとき、文章を書きながらいろいろ漢字を調べ、最終的にフィーリングで決めたものです。で、その結果次男の名前の一文字目は「悠」となりました。「ゆっくり、マイペースでのんびりやってほしい」という願いを込めた名前です。

パクられました。

もうね、両親の思いとかその辺までがっつり一緒です。そりゃ確かに同じ漢字なんだから意味も一緒でしょうに、モロかぶりだと俺がパクったみたいじゃないか、と。三年半も時代を先取りしてたのに、まるで真似したみたいじゃないか、と。

しかし、視点を変えればようやく時代が私に追いついたとも言えます。聞くところによると数年前より「悠」の字を含む名前を持つ子供は増えているそうですが、そんなことは知りません。あくまで基準は私です。似たような名前を持つ子が増えているのは私の影響です。で、今回の件も私の影響です。私が時代を切り開いたからこそ、「悠の字大人気」な現状があるのです。

という阿呆な事を大真面目に論じる気はありませんが、少なくとも親戚関係に笑いを取る事はできます。実家に電話する際に「時代を先取りしすぎてたよ」とか、「時代が追いついてきたよ」とか付け加えてみたり。まあ、親戚やら祖父母やらといった方々は、子供の名前に無理やり意味を見出すような人たちばかりですし。長男の名前を公表した際も「この字は俺の名前の一部と一緒だからどうの」「この名前は俺の名前と似た読みだからどうの」等々、幾度と無く聞かされてきました。正直言って、会った事もない奥さんの方の親戚のおっさんが喜んでいたと聞かされても、こちらとしては反応に困ります。ケチをつけられるよりはいいんですけど、そんな、「俺の名前から一文字使ってくれてありがとう」とか言われても。


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