九月十七日、九州地方に台風十三号が上陸しました。久しぶりに「大物」と呼べるような被害が出ました。農作物や交通等の社会的な被害の他に、「保育園の運動会が体育館で行われたんで狭くて大変」という局地的な被害も。や、運動会自体はその前日、十六日に行われたんですが、その日も朝から雨でして。長男はわざわざ前日の夜にてるてる坊主を二個作っていたのですが、残念ながら効果は無かったようです。まあ、「台風当日に運動会が予定されていたために止む無く中止」となるよりはマシでしょう。
で、台風当日は家でおとなしくする予定だったのですが。次男から風邪を感染されてしまい、朝から晩まで寝たまんまです。ええ、それはもう奥さんから嫌味を言われるくらい見事なタイミングでした。結局私は台風の被害そのものはあまり知らないんですよ。予定では、子供たちと一緒に窓から外を見て「凄いねー」とか言ったり、ちょっとベランダに出て「飛ばされるー」とか言うはずだったのに。
しかし、それはあくまで被害を見てなかったから言えたようです。今回の台風では数年ぶりに「台風の影響で停電」という事を経験しました。前回の「台風で停電」というのがいつだったか覚えていないくらい久しぶりです。復旧までの時間はそれほどかかりませんでしたが、我が家では断続的に三回も停電しました。
その他、風による物理的な被害もありました。まずは駐輪場。屋根付きのはずだったのですが、一部の屋根が、と言うか支柱から撤去されていました。撤去されなかった箇所も、屋根はボロボロ。裏手にある駐車場にまで屋根の残骸が散らばっていました。台風が去った翌日には既に撤去作業が行われており、私が見た時点で既に撤去作業終盤でした。そのためどのような被害があったのかは定かではありません。ですが、根こそぎ撤去するからには、よっぽどの事があったのでしょう。なんか、ものごっつい物が飛んできたとか。
それを裏付けるのがエントランスのドア。丁度、撤去された駐輪場の側です。両開きのガラス製のドアなのですが、このドアの片方のガラスが無くなっていました。割れたのか変形したのか、こちらも気付いたときには既にガラス無しの状態だったので不明です。それにしても、本来あるはずの「透明のガラス」が存在しない状態というのは、案外気が付きにくいものです。実際、ガラスが無い事に気付いても、触ってみるまではなかなか状況が把握しづらいのです。こう、「超ハイテクガラスに置き換わったんでまるでガラスが無いように見える」と説明されたらうっかり信じてしまいそうなくらいに。で、わざわざ触ってみて、ついでにドアを閉めたまま出入りしてみたりして、それでようやく状況を理解できました。理解しても何往復かしてみたのですが。
「ガラスが存在しない事に気付かなかった俺はよっぽど鈍いのか」とも思いましたが、少なくとも次男も気付かなかったようです。台風が過ぎ、祝日も終わり、また保育園が始まります。家族揃ってエレベーターでエントランスに降り、兄弟で先を争うようにドアを開けようと、したところで「すてーん」と。ガラス部分を押してドアを開けようとしたようですが、そのガラスが存在しないために思いっきり転びました。ええ、もう、朝から大泣き。身体ごと全力で押そうとしたもんですから、全力で転んだのです。笑っちゃいけないのですが、なんともベタな転びっぷりに我慢ができません。
あれから学習したようで、それ以降は「確認せずに全力でドアを開ける」という事はしなくなりました。その代わり、「ドアを開けずにガラスが無くなっている部分を通る」という事を始めました。や、別に怪我しないんならいいんですけど、これはこれで。例えば、ドアの修理が終わってガラスが元通りになってからも、ガラスが存在するドアを通り抜けようとするんじゃないかと、そんでもってまた朝から盛大に泣き出すんじゃないかと、今から心配です。