小学校や中学校は殆どの場合各学年ごとに数字で「一組」だとか「二組」なんて連番がついています。高校だったら数字だけでなく「A組」とか「B組」なんて分け方かもしれません。しかし、幼稚園は様々な名称によって組を分けています。

一例を挙げてみましょう。私が通っていた幼稚園では、年少は「桃組」、年中は「赤○組」、年長は「黄○組」といった名称でした。それぞれの色に連番が付いています。って、これじゃ小学校と大差がありません。話が膨らまないんで、相方の記憶に協力してもらいましょう。相方が通っていた幼稚園は、年少が「菊組」、年中が「桃組」と「梅組」、そして年長が「藤○組」だそうです。なんで年長さんだけ連番制なのかは分かりませんが、こちらは花の名称を使用していたそうです。色であっても花であっても「桃組」が存在するのがなかなか興味深いところです。

これはあくまで二十年も前の事でして、今でも連番制が使われているのかは知りません。実際、最近の幼稚園業界では一意の命名、つまり各組でばらばらの名前が付けられているような気がします。例えば、我々家族がよく行く公園。その公園の向かいには、とある幼稚園が借りていると思われる畑があります。各組ごとに領地が決まっているのでしょう。組の名前と思われる看板が立っています。それぞれの看板には「ライオン」だの「キツネ」だのと動物の名前が書いてあります。それにしても、小さな女の子がウサギさん組になるのはいいとして、ゴリラさん組になるのはちと可哀相な気がします。

さて、うちの長男も来年から幼稚園に入園する予定です。相方は何箇所かの幼稚園の説明を聞きに行き、そしてそれらの比較、検討作業を行いました。先日はそれらの中での第一候補の幼稚園で運動会が行われるという事で、家族で見学に行ってきました。来年の入園予定者を対象とした競技があるというのも理由の一つです。まあ、その辺はさておきましょう。息子と一緒に競技に参加し、その後に行われた園児たちの演目を見るでもなくぼーっとしていた私の目に不思議なものが飛び込んできました。

敷地が小さい割りには定員200名と結構多めの園児を抱える幼稚園です。おそらく運動会の席取りでは毎年壮絶な争いが行われているのでしょう。幼稚園側でもある程度の対策をとっているようで、園児が所属する組ごとに席を取れる範囲を指定しているようです。運動場の一角にある看板にその範囲が記述してありました。が、問題はその看板です。
「本部の横のテントにはこの組とこの組の園児の関係者が入れますよ」という意味でしょう。それは構いません。具体的にはこんなふうに書いてありました。

 本部
 もも
 ばら

この記述を見て、「最近の幼稚園は、組名に肉の部位の名称を使うのか」と勘違いした私を誰が責められるでしょう。他の部分を見れば「さくら」だの「ひまわり」だのとあります。そこから見れば、花の名前が使われている事が分かります。
しかし。最初に見たのが「もも」と「ばら」。「桃と薔薇」ではなく「腿とバラ」としか読めません。焼き鳥屋じゃないんだから。


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