人は皆、様々な信念を持って行動しています。いや、持ってない人もいるかもしれませんが、とりあえずここでは持っているものとして話を進めましょう。信念。『行動の基礎となる態度』ということですが、それこそ人それぞれに信念があることと思います。「こだわり」という言葉を使ったほうがわかりやすいかもしれませんが、「こだわり」という言葉はもともと悪い意味で使われる言葉だそうなので。

信念でもこだわりでもどちらでもかまいませんが、日常生活の中でも自分の信念に従って行動することは多いと思います。「嘘をつかない」、「電車ではお年寄りに席を譲る」。素晴らしい信念をお持ちです。これからも続けてください。「一日一回は嘘をつく」、「電車では問答無用で座る」。それはそれで素晴らしい信念をお持ちです。いいんです、人それぞれなんですから。「一日三十品目食べる」、「エレベーターじゃなくて階段を使うようにする」。爽やかな信念をお持ちですね。健康的な方のようです。ああ、「おぱーいは微乳でなければいけない」というのも信念ですな。ただし私とは相反する価値観です。やっぱ大きくないと。

他人からするとどうでもいいことでも、本人にとっては大切なことという場合もあります。我が友人数名は「タバコはマルボロ」と決めています。しかも、「マルボロは絶対にソフトケース」というオマケ付きです。ソフトケース。私はタバコを吸わないんで説明されるまでわかりませんでしたが、硬い箱に入ってる奴じゃなくてふにゃふにゃの紙で包んであるやつのことだそうです。なんか微妙に味が違うそうですが、私にはわかりません。タバコなんてどれも煙いだけです。別に他人の好みに文句を言うつもりはありませんし、私に迷惑をかけているというわけでもないので構いません。いや、彼らが集まっている場所に遊びに行くとそれからしばらく頭痛が続くというのはちょっとした迷惑ですが。

さて、私は、と言うと。「ジュースを飲むときは炭酸飲料を優先する」という信念があります。なんか、自分で言ってて「こりゃただの自分の好みではないか」と思いましたが、気にしないことにしましょう。私は炭酸飲料が好きです。たまには小便小僧が「言い切れないなぁ」とか言ってる飲み物に浮気することもありますが、殆どの場合は炭酸がシュワーっとする飲み物を飲みます。私は大好きなのですが、親のしつけの影響で幼少時に炭酸飲料を口にすることがなかった私の従兄弟は、もうすぐ中学生になろうというのに全く炭酸飲料が飲めません。なんか、あのシュワーが駄目だ、と言っておりました。そのおかげで、親戚が集まるときに用意されるジュース類は、炭酸飲料の比率が少なくなってます。いや、愚痴るんなら自腹切って持っていけばいいんですが、そこまでして飲もうとも思いませんし。

炭酸飲料を優先して飲む。私の場合は銘柄にはあまりこだわりはありません。ただ、「なるべく炭酸がきつい奴を飲みたい」という要求があります。好んで飲んでいるのは某サイダー。三本の矢です。いろいろと飲み比べてきましたが、あの炭酸が一番強かったと思います。んで、さらに強い炭酸を求めて、見慣れない炭酸飲料を見つけると優先して買うようにしています。先日、それでちょっとした失敗をしました。ちょっと遠出をした際、見慣れぬ炭酸飲料を見かけました。「おっ、こいつは初めてみたぞ。よし、飲んでみよう」と、何のためらいもなくそれを買い、運転しながら飲み始めました。ごくごく。なかなか強めの炭酸です。これはちょっとした発見……あれ?おかしい。なんか変だ。もう一口飲んでみます。……味がしない……どういうことだ、とラベルを見てみます。すると。原材料の中に等分の類が全く入っていません。つまり、私の買ったものは「炭酸飲料」ではなく、ただの「炭酸水」。そりゃ味はついてないよなぁ。だからちょっと安かったんだ。いやー、まいったなぁ。……あんまり悔しいんで、帰宅後に砂糖を入れて飲み干しました。「炭酸水」から「砂糖入り炭酸水」になった飲み物は、それでも「炭酸飲料」になることはできませんでした。


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