年末年始という時期は、帰省ラッシュという言葉が季語となっています。私たちも実家に戻ってゴロゴロとしております。しかしながら、大人がゴロゴロしているからと言って子供も一緒にゴロゴロしてくれるとは限りません。「たいくつー」とか「どっか連れてってー」とか言ってくるわけです。というわけで、今日は子供連れで荒尾競馬場へとやってきました。
荒尾競馬場とは、熊本県荒尾市にある日本最南端の競馬場です。熊本県にある競馬場ということで、「馬刺しと競馬が共存する地」としてその筋では知られています。さすがに競馬場内では馬刺しを食べることはできませんが、近所の居酒屋にでも行けば堪能することができます。一日の入場者数は、下手をすれば三桁台になろうかという寂れた競馬場ではありますが、それでも今のところ閉鎖されることなく続いております。年末の平日ということでいつもならば閑散としているはずなのですが、なぜかその日は結構な入場者数。いったい何があったのか、荒尾人はよっぽど暇なのかと思いましたが、どうやら皆さん大井競馬場で行われる東京大賞典の場外発売がお目当てのようで。
あ、別に煮詰まった親父が年内の負けを取り戻すためにギャンブルに連れ出したわけではないのです。本日、12月29日は熊本県建設業協会荒尾支部の各社が、荒尾競馬において冠競争を行うんだそうです。で、うちの親父の会社もその協会に名を連ねているんで入場券やらをもらっておりまして。せっかく券は貰ったんだし、浮世の義理もあるんで行ってみよう、という事になったのです。当日は全部で11レースが行われますが、そのうちの10レースがその冠競争です。第一レースの「光建設特設」から最終十一レースの「豊建設工業特設」まで、ほぼ一日全てが冠競争となっています。それを知らずに親父が片隅にメモした「9レース 15:00」という文字列を頼りに行ったので後半4レースしか見てないんですけど。まさか一日中やっているとは。
さて、この冠競争。別に賞金全額出さないといけないなんてことはありません。まあ、賞金全額といっても荒尾競馬の場合だと一着賞金が10万円なんて相場ですんで、やってやれない事もないでしょうけど。募集要項を見てみますと、企業だけではなく個人でもおっけー。個人の場合は1万円程度の賞品を、企業等であれば3万円程度の賞品を提供するんだそうで。親父の会社は金を出していないんでいったい何を提供したのかは知りません。ベニヤ板とか瓦とかもらっても困るだろうしなあ。ちなみに、今回この冠競争にて幾許かの出費が発生した某社の先代社長は「二代目は金ばっか使いやがって、俺の頃はちょっと飯を食いに行くのも我慢してたのに」とか私の母に愚痴ってたそうで。母に愚痴られても困るとは思いますが。
最近では全国の地方競馬で実施されている冠競争。荒尾競馬では昨年から実施されているようで、まだそれほど歴史があるものではありません。荒尾競馬の公式サイトでは実際にどういうものが実施されたか見ることができるのですが。「荒尾ふれあい朝市会特設」とか「大崎町菜の花・エコ特別」といった、半分くらいは義理でやっているようなのは問題ありません。「パチ☆チャンスカップ」なんてのも、パチンコと競馬という客層のかぶり具合から考えると意味があるといえます。問題はこれです。「明日は誕生日!萩原雪歩記念」、そして「三浦あずさ永遠の二十歳記念」。「THE IDOLM@STER」というゲームのキャラに関するものですが、二度も行われているということはよっぽど食い合わせがいいのでしょう。レース名で検索してみると当時のあれこれを見ることができます。1万円で笑いをとれるのならば、それはそれでアリだとも思います。
しかしながら、競馬の収益の基本は馬券の売り上げです。レース名で笑いをとるのも全ては売り上げのため。我々もささやかながら収益に貢献をしてきました。投票したのは計四レース。4人が一頭ずつ「一着になりそうな馬」を選び、その単勝馬券を100円ずつ購入しました。400円かけるの四レースで総出費額は1600円。勿論、黙って金を取られたわけではありません。きちんと的中もありました。なんと、1.4倍の馬券を一点的中です。……という事は、収入が140円の、出費が1600円の、差し引きで1460円のマイナスなわけでして。父曰く「仕事してた方がよっぽど金になる」そうで。まあ、それはそれで当然なんですが。一レース当たり六頭や七頭しか出走していないようなレースで単勝四点買いとかしてマイナスにならないと思う方が間違っています。
あ、荒尾競馬の売り上げとは直接関係ありませんが、東京大賞典の馬券も購入していました。こちらは無難に馬番連勝のボックス馬券三点買い。そして無難に的中です。で、収支は300円出費で、倍率2.0倍の馬券を100円的中で200円の収入で、差し引きで100円のマイナスなわけでして。うむ、やっぱ俺、競馬には向いてないや。