「日本○大××」などと呼ばれるものがあります。「日本三大河川」とか「日本三景」などです。前者は、信濃川、利根川、石狩川。後者は松島、天橋立、安芸の宮島です。草薙の剣、八咫の鏡、八尺瓊の勾玉だとかカラーテレビ、クーラー、自動車といった三種の神器もその一種と言えます。
これらの分類は、言ったもん勝ちの傾向があります。先述した例はそうでもありませんが、「その分類は変だ」というものもあります。例えば私が以前から主張している「日本三大都市は『東京、大阪、熊本県荒尾市』である」という説。これには異論がある方も少なく無いでしょう。私も聞く耳を持たないわけではありません。異論は受け付けますが、少なくとも私にとっては日本三大都市とはそういうものなのです。だいたい「東京、大阪、名古屋」って、そんな訳があるわけないでしょう。あんな、名古屋県と思われているような都市が日本三大都市に名を連ねるなんて間違っています。同様のものに「日本三大祭」というものがあります。これは私の中では「青森のねぶた」、「博多の山笠」、そして「熊本県荒尾市の荒炎祭」となっています。勿論、異論の存在を認める度量の広い私は荒炎祭の代わりに「福岡県大牟田市の大蛇山」が入ってくるのも止む無しとは考えています。やっぱ主張するだけでなく時には譲る事も考えないとね。
先日、その日本三大祭(私家版)である山笠を見に行って来ました。一応福岡市に税金を納める身であるので、一度くらいは見ておくべきでしょう。しかし、「とりあえず見に行ってみた」ではいけません。子供連れなので大人のペースで行動できませんし、「疲れた、だっこ、寝る」のコンボを喰らうと移動もままなりません。そうすると、なるべく体力の消費が少なくて済むような場所なりルートなりを事前に調べておく必要があります。幸いにして地元紙に簡単なルート説明とお勧め観賞ポイントが掲載されていました。これを参考にしようと、該当部分を抜き出しておくことにしました。そのままにしておくと廃品回収の際に一緒に廃棄してしまいますから。前科持ちなんで気をつけなければなりません。
その翌日だったでしょうか。ダイニングテーブルの私の席に、ある新聞記事が置いてありました。新聞というものは世の中のニュースや経済動向なんかだけではなく、生活の知恵などの暮らしに密着した記事も掲載されています。私の席に置いてあったのはそんな記事、所謂暮らしの悩み相談的な記事でした。どんな悩みかというと「夫の浮気が治らない、離婚したい」というもの。で、何故それが俺の席に置いてありますか。しかもご丁寧に俺が座る方向に置いてありますか。身に覚えがある訳でなく、むしろ清廉潔白とかそういうあれでして、なんだこれは俺を疑ってるのか訴えてやるぞいやうろたえてるからと言ってやましい事があるわけではないけどそういえば二次元は浮気ですか違いますよねとかどうなっとるんだという訳です。
と、恐々奥さんに事情を尋ねたのですが、何のことは無い、前日山笠の記事を切り抜いた裏面でした。私が、私の座る方向に置いた紙切れに対して、私があたふたしただけでした。いや、だって、何の前触れも無く「夫の浮気が離婚で云々」なんて置いてあったらびっくりしますって。まあ疑いも晴れて何よりです。主に私が私の行動であたふたしてただけなんですが。
え?山笠?家族四人で見に行って、それから長男と一緒に行動したのですが、人波に揉まれてはぐれてえらい目にあいました。「夫が子供の面倒すらきちんと見られない。離婚したい」とか投書されそうです。