日本の代表的な防寒設備と言えば炬燵でしょう。炬燵があると蜜柑やお茶がとても怖くなります。ああ、お煎餅も怖いですね。ちょっと違う方向からだと枕なんかも怖くなります。
我が家には炬燵がありません。いや、炬燵として使えるテーブルはあるのですが、現在それは私のPC用テーブルとして使用されています。ろくに掃除をしないし周囲に可燃物が山ほどあるので炬燵布団を使えず、結果としてただのテーブルとなっています。私のPC周辺はどちらかと言うと夏に辛い環境ですので炬燵を使用していない点に関しては特に問題はありません。ただ、この炬燵を居間で使えないのは勿体無いとは思うのです。
何故、炬燵が居間に無いのか。居間に小さいテーブルがあるんだからそれを私のPC用テーブルにすればいいではないか。そもそも現在の住居に引っ越した際にもその事は提案しました。しかし、奥さんの一言で却下と相成りました。「私が台所にいる時に暖かくないから駄目」と。実にはっきりとしたお答えです。まあ、最近の集合住宅は機密性が高いから炬燵なんてなくてもなんとかなるんですけどね。
そんな我が家の居間には小さい木製のテーブルとソファが置いてあります。テーブルの上はチラシやらリモコンやらが置いてあります。本来は子供がお絵かきしたりする場所だったんですが、いつの間にやら物置となっています。ソファの上には物を置きっぱなしにする事を禁止してはいるのですが、ちょっと目を離せば本やゲーム機が放置されている事が多々あります。そのソファの上に放置されている物リストの中に、最近ある物が追加されました。
次男はまだ五歳。昼間遊びすぎて夕方にはぐっすり、という日も多々あります。そういう時にベッドまで辿り着ければいいのですが、ちょっと目を離してたらソファの上で高いびきという事も珍しくありません。動かすのが面倒、もうすぐ夕食の時間などの理由でそのままソファに寝かせる場合には、昔から使っている乳児用の小さい毛布をかけています。乳児用なんで、現在の息子たちが就寝時に使用するには小さすぎます。普通に寝てると足がはみ出るくらいですから。しかし、昼寝の際に肩から腹にかけて冷やさないようにする分には全く問題ありません。
それほど大きくなく、そしてそれなりの頻度で使用される布団。結果として、「それほど邪魔にならないし、片付けるのも面倒だし」という理由でかれこれ数ヶ月ソファの上に、もしくは周囲に置いてあります。またこの布団が、ソファでくつろぐ大人にとっても非常に具合がよろしいものでして。勿論、肩から足までカバーできるようなサイズではありません。縦にすると下半身全体、横にすると大人二人で足だけくらいしか覆う事はできません。しかし、その毛布っぽい材質のおかげでまるで炬燵に入っているような暖かさになります。結果として、炬燵があるのと似たようなやり取りが繰り広げられます。具体的には、ソファに座って布団をかけた奥さんの尻に根っこが生えます。これは簡単には抜けないので、仕方なく奥さんは私に「お菓子取ってきて」とか「のど渇いた」とか言ってくるのです。なるほど、これは居間に炬燵なんぞ設置してたらえらい事になるところでした。炬燵設置を拒否していたのは、奥さん自らの自制心の現われなんですね。でも炬燵じゃなくても同じ結果になるんだったら意味が無いな。