自サイトのログを探ってみると、前回のサイト移転は2002年の五月。かれこれ四年以上前ということになります。以前はASAHIネットのサーバにHTMLベースの文章を置いていました。移転以後はJSPとServletを利用したものになり、独自ドメインを使用していろいろと書き続けてきました。ただの文章だけでなく、気分転換になる自分専用のプログラムも組んでみました。掲示板然り、リンク集然り。独自仕様なんでひょっこりエラーが出てきたりというのもよくありました。気が向けば修正し、お手上げならば放置し。一部携帯電話経由だと掲示板の書き込みが文字化けする、というのは後者です。だって条件がわかんないんだもん。実機がないとどうにもなりません。

そんな自分専用の遊び場であるレンタルサーバ。一年契約ですので今年も六月に更新手続きを行い、費用を振り込みました。一年分、諸経費込みで約三万円。一ヶ月辺り約三千円です。高いと思うか安いと思うかは人それぞれでしょうが、煙草十箱分とかパチンコ一回分とか換算してみると、成人男性の趣味の一つとしてはそんなに高くは無いのかもしれません。草野球なんかだと道具にそれなりの初期投資が必要ですし、読書だったら図書館でも使わない限り結構な出費が必要です。旅行なんかは一桁違うくらいの資金が必要です。となると、妥当な出費と言えるでしょう。と言うか、そういうことにしといてください。

んで。六月に費用を振り込んだのですが、八月頭くらいからどうにもネット環境の具合がおかしい。自分のサイトに繋がらない事に気付いたのはその頃でした。メールも数日届いていません。こりゃ変だ、サーバ側のトラブルだろうかと運営会社のサイトで調べようとしたら、そちらにも繋がりません。色々と探してみた結果、Googleのキャッシュに「ご利用者の皆様へ」というメッセージを発見。って、発見したのはいいんですが、「詳しくは会員専用ページで」とかあります。いや、その会員専用ページが見えないんだって。で、そっからいろいろ手を尽くしてみましたが、結果的に回答は最も身近なところで得る事ができました。

自分のPCのメーラー。ここ暫くはSPAMの山に埋もれて殆ど目を通していないメーラー。運営会社のアドレスで検索してみると、そこにはサービス停止を連絡する一通のメールが。六月末の日付で。具体的には費用振込みの翌週。

そこにはご丁寧に、これこれこういう理由でサービス継続が困難になったので、これこれこういう手順で返金しますけど早く連絡してね、と。文面と状況から判断するに、連絡をとっても返金は困難そうです。というか、メールで連絡する事を前提としているので、連絡のとりようがありません。煙草十箱分のさらに一年分ですのでだいたい煙草百箱分でしょうか。やたら高額な勉強代ですが、過ぎたことは仕方ありません。

メールアドレスも使えなくなったんでそれから急いで次の業者を探しました。暫く前に妹から貰ったノートPCをサーバにしようという事も考えていましたが、まだ準備ができていません。準備ができているのならそちらに移行できるのですが、今それをやるとサイトどころかメールも当分使用不能になります。費用やスペック、サービスなどの条件で数件の業者に絞込み、直接コンタクトをとって別の業者と契約したのは約一週間後の事でした。

で、質問やら契約やら連絡やらがある程度終わったある日の夜。奥さんが「そういえば一ヶ月前くらいにこの手紙が来てたけど、渡すの忘れてた」と、一通の封筒を手渡してくれました。封筒の差出人は以前のサーバ業者。内容はサービス停止について。メールの内容とほぼ同じ物です。わざわざメールを見ない人向けに、書面でも連絡してくれたのです。なんと素晴らしい。「メール見ないほうが悪い」の一言で済まされそうな事を、可能な限り少なくしようとしてくれたのでしょう。まったくの無駄になりましたが。Y業者さん。いろいろとありがとうございました。そしてご迷惑をおかけしました。


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