実家が建設業だったせいなのでしょうか、それとも全く関係ないのでしょうか。家の間取り図を見るのが好きです。暇なときに不動産屋の広告を見ると、そこに書かれている間取り図に見入ってしまいます。引越し先を探す際は、住宅情報雑誌やら不動産会社の無料配布誌を堪能させてもらいました。

間取り図を見て、家具の配置やら日々の生活を想像するのが楽しいんですよ。「ここが子供部屋でこっちが寝室。ここにPCを置いてテレビはこっち」とか。広告レベルでは掲載されていませんが、不動産会社の資料や分譲マンションの売り込み用資料になってくると、コンセントの位置や照明の設置場所まで記述してあります。こんなおいしい情報は見逃せません。「ここにコンセントがあるから家具を配置する場所を調整して、あと配線をこういうふうに伸ばして」と、妄想に拍車がかかります。

間取り図だけではありません。家電製品のパンフレットも大好きです。新開発の機能がどうした、ここのスペックがああだ、そんな表記を見ていると心が躍ります。今回特に堪能したのは冷蔵庫でしょうか。
「当社比1.5倍の収納力」「両開きドアで楽々お手入れ」「自動製氷機能で一晩で氷が一杯に」
もうたまりません。
「イオンパワーで野菜が長持ち」「イオンパワーで脱臭力もアップ」
イオンも未だに頑張っています。

同様に洗濯機も堪能したかったのですが、こちらは残念なことに初期段階から「乾燥機能付きは購入対象外」という指示が出ておりました。そのため、カタログの半分ほどが見ても無駄になっておりました。本来なら「少ない水で強力洗浄」とか「高速乾燥機能でふっくらお洗濯」とか「ドラム式だから衣類に優しい」とか、そういう売り文句で悶絶する予定だったのですが。ええ、残念です。

こういう魅力的な家電製品群に比べると、家具類は押しが弱くて困ります。魅力的な売り文句があるわけでなく、数値で分かるスペック表があるわけでもない。現物を見て「引き出しが一杯」「ベッドがふかふか」「あらこんな所に収納が」と、一目瞭然なものばかりです。まあ、子供たちからすると「二段ベッド二段ベッド「ベッドベッド」上に上る上に上る「ぼくもぼくも」下りる下りる「ぼくもぼくも」うひゃーい「うひゃー」」と、分かりやすさで大興奮だったりしますが。二人揃って大興奮なんで音声多重で騒々しくなっておりました。子供達はさて置き、家具に関しては私は「使うに不自由なければおっけー、ベッドもはみ出さなければ特に問題なし」と、ほぼ奥さん任せでした。食器棚なんかは一番使用回数が多い人が決めた方がいいわけですし、リビングはリビングで壁一面を本棚で埋めるという野望をお持ちのようですし。まあ、その本棚も「全部本で埋まることはないから、端っこはおやつとかパンとかが入ってる」という、本棚職人さんが聞いたら嘆き悲しむような使い方をするそうですが。

そんな塩梅で、家具選びは適当といえば適当でした。せいぜいがベッドに寝てみるくらい。しかし一般のベッドというのはそれほど大きくないのか、私が寝ると縦幅はギリギリ。身長175cm(公称)というのは日本人の平均からすると若干高めではありますが、それでも高すぎ、ということはありません。現に私よりも背が高い友人は何人もいるわけで、そういう人々はベッド選びにも難儀するのではないでしょうか。と、まあ家具屋での私の出番はこれくらい。あとは子守と支払いくらいでした。

しかし、家電選びは違います。ある程度カタログで目星を付けていたため、当日は現物を見て最終確認程度でしたが、私は無駄に気合が入っておりました。理由はただ一つ。所謂「ポイントカード」のせいです。購入額の一定割合をポイントとして貯蓄、そのポイントと同額を買い物に使用できるというシステムは今ではよく見られるものではないでしょうか。で、私はこの電器屋のポイントカードを所有しており、家庭用のポイントカードは存在しておらず、必然的に購入時のポイントは私の取り分としてぽっぽにないないされるわけでして。いやははは、クレジットカード使用のため若干割り引かれたポイント加算額でしたし、また店舗独自の保障も追加したためさらにポイント加算額は目減りしたわけですが、それでも小さなテレビ程度はポイントで買ってもお釣りが来るくらいは貯まりました。あ、いや、買わないよ。買わないったら。いやー、やめてー、私のポイントを使わないでー。「いいだろ、減るもんじゃないだろ」なんて言ってポットを買わないでー。


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