世の中では「クールビズ」とかいうものが流行ったので、二匹目のドジョウを狙って「ウォームビズ」というものを流行らせようとしているそうです。が、何事もそう上手くはいきません。とりあえず今の段階では、「今、ウォームビズが熱い」という言葉は聞いた覚えがありません。日本各地で「寒い」の大合唱なんで、「ウォームも熱いも知った事か」となっているのでしょうか。
冬将軍がどうの、シベリア上空の寒気団がどうのという天気概況を聞く限りでは、日本各地で大雪が降っているそうです。我が故郷の熊本県荒尾市でも積雪があったそうで、「車で出勤しようとしたけど、家の前の坂を通る術がなかったんで、頑張って原付で出勤した」という友人の話を聞きました。何せ、3cmでも積雪があれば完全に経済活動が麻痺する九州です。その日、友人の職場では、「出勤できない」だの「遅刻する」だのという連絡がひっきりなしに入ってきたとか。「風速25mの台風」は日常の一コマで済むのですが、雪はどうにもなりません。
で、その荒尾市から数十km程北上した我が家。こちらでは全く積雪はありませんでした。いやね、雪は降ったんですよ。仕事帰りに自転車に乗ったら、その直後から雪が強く降りだして、自宅に着く頃には頭からコートから真っ白になる程度には。それを見た子供達は「明日は雪が積もってるかなあ。雪合戦できるかなあ」とわくわくしながら眠りについたのでした。で、翌朝。外は一面の銀世界、になっているはずもなく、外を見た長男は「雪が積もってない、雪合戦できない、ふえーん」と泣き出したのでした。
まあ、雪は積もらずとも寒いことは寒いんです。ウォームビズとやらでは「スーツの下に一枚服を重ね着しましょう」なんて提唱もありました。が、言われなくてもそれ位の事はごく当たり前にやっています。今年は自転車を使っていますが、昨年は原付で自宅から駅までを移動していたわけでして、スーツとコートなんて格好だと駅に辿り着く前に凍死します。必然的にジャケットの下に一枚薄手のセーターなりを着ることになるわけでして。あまり『えれがんて』な格好ではありません、というか、スーツの国の人が見れば噴飯物なんでしょうが、まあ、その辺は見逃してください。寒いんですから。
で、仕事場に着いてまずやる事は、その薄手のセーターを脱ぐ事。仕事場では「空調の設定温度を20度にして云々」なんてアナウンスがありましたが、そんな事はおかまいなし。まるで夏場と同じような格好で仕事をしています。決して私が暑がりになったとか、そういうわけではありません。その証拠に、私の机の片隅にあるデジタル式の卓上時計。この時計には温度計機能も付いており、現在の気温も表示されているわけですが、この文章を書いている今現在、気温の表示箇所には「27.2℃」とあります。自宅にも全く同じ物があり、それを見ていると精度の点で問題がありそうですが、それでも誤差はせいぜい1℃程度でしょう。そんな温度計で、最大で「28.1℃」なんて表示が出るような室温の中で仕事をしています。外では小雪がちらついたり、強風が吹き荒れたりという天候でも、温度は一貫して25度以上を示しています。
もう、ね。何が悲しくて一年中団扇が手放せないような環境になっているのか、と。省エネやら環境対策やらはどこに行ったのか、と。愚痴る気力もなく、今日も私は団扇片手に仕事をするふりをしているのです。あちー。