「脱サラ」という言葉があります。「サラリーマンをやめて、自営業など個人的で独立した職業を始めること」だそうです。個人的には「脱サラ」という言葉と「ラーメン店経営」「農業に従事」という言葉は何故かイコールで結ばれています。なんとなく「勤め人を辞めて違う職種で一旗あげようとする人」というイメージがあるのかもしれません。しかし、言葉の意味としては「搾取される側から搾取する側へ」という単純なものですので、独立して零細建設業を営む我が父も脱サラ経験者と言えるのです。って、搾取だのなんだの言いましたがただ単に「ぶるじょわじー」という言葉が使いたかっただけです。使えなかったんで無駄に浪費してますけど。ぶるじょわじー。ところで、今現在仕事場で「脱サラ」というキーワードについて調査しながらこの文章を書いているのですが、冷静に考えると素晴らしくまずい行動を取っているのではないかと今更気づいてしまいました。いや、私は当分サラリーマンでいたいのですよ。
私はまだサラリーマンがよいのですが、一緒に仕事をしていた人なんかはたまに脱サラしてたりします。ひょっとしたら「自社の同期が既に半分退社」という事実の中にも一旗あげた人間がいるのかもしれませんが、顔どころか名前すらも忘れた面々に興味はありません。ということで現在の仕事場の人たちに焦点を当ててみるのですが。昨年だったか一昨年だったか、以前一緒に仕事をした人が辞めていかれました。年齢はともかく入社年度が同一であった人でしたが、半年ほど組んだ後は別々のプロジェクトであったため辞める旨を聞いたのもその数日前でした。
で、何でまた辞めようというのか。そりゃ、まあ、この職種はいろいろと磨り減るのでそんなに長いこと頑張れるものでもないとは思うけど、えらいまた急な話だなと思ってました。が、辞めた後の予定を聞いて驚きました。
漫画家になるそうです。正確には、漫画家に「なった」でしょうか。ロックな行き方です。なかなかできることではありません。風の便りによると収入は半分程になったそうですが、自分のやりたいことをできるというのは羨ましい話です。いや、まあ、私も自分の好きなことを飯の種にしているはずなんですが。
「脱サラして自分の好きなことをしていく」というのは理想ですが、現実はそう甘くはありません。とりあえず仕事がなければ食べていけませんから。漫画家にとって仕事となると漫画の掲載、安定した収入となると連載開始といったところでしょうか。まだまだ「安定した収入源」というものは手に入れていないようで、それはそれで大変だと思います。そもそも安定した収入というものをわざわざ投げ出した訳ですから、その辺はなんとか頑張って欲しいと思います。
んで、仕事場の人たち、つまり元同僚の人たち。応援しようと頑張ってるみたいです。「アンケートはがきを出してくれ」と周囲に呼びかけたり。
でも。でもですよ。やっぱバレるもんじゃないでしょうか。その人の漫画を「面白かった」と回答したはがきの差出人を集計したら妙に福岡県福岡市在住者の比率が高かったとか。そういう集計結果が出ると逆効果なんじゃないでしょうか。やっぱ私みたいに佐賀県佐賀市在住者とか熊本県荒尾市在住者とかにも……って、九州単位でまとめれば一緒か。
いや、正直な話そういう組織票ってバレるものなのではないかと思うのです。いささか失礼な話ですが、今までの経緯を見るときっと総得票数もそんなに多くないのではないかと。それで、分析したら九州人の比率がやけに高いとかいうのはもう、「組織票、頑張ってます」と言ってるようなものではないかと。それとも、たかがアンケートごとき、そこまで分析したりはしないものなんでしょうか。私は気になって気になって、アンケートはがきも書くことができません。