「どっとこむ」という言葉がもてはやされたのはいつの事だったでしょうか。「イット革命」あたりとセットになって刷り込まれているのでそのあたりの時期だと思うのですが。
「どっとこむ」なる言葉を最初に聞いたときは「どこが混んでるんだろう」と思ったものです。当然、そのような親父ギャグは世の中の本当の親父の皆様も使いたがるものでして、「ドットコムで我が社も『どっと混む』だ」という自慢だが自虐だかよく分からないネタも聞いた憶えがあります。
「ドットコム」ってなんじゃらほいとなりますが、「.com」をそのまま読んで「ドットコム」。じゃ、これを日本流に「てんこむ」と読んでたらどうなってたのでしょうか。どうもなってないか。しかし、わざわざ「ドット」って読むこともないしなぁ。「ドット」よりは「てん」でしょう。円周率は「さんてんいちよん」ですし。
「ドットコム」の親戚には「ドットネット」なんてものもあります。「.net」ですね。「VB.net」なんてものもありますが、もっと一般的なものでいうと各種サイトの名称。「なんたらかんたら ドットネット」とか「なんたらネット」なんて名前ですね。ホームページを作っちゃおう、ついでに検索機能も付けちゃおう、わーい、ハイテクだ。そんなわかりやすい展開でIT革命を成し遂げちゃったりすると、名前もそんなわかりやすい名前になっちゃったり。
これと同じような役割を果たすのが「i-なんたら」とか「e-なんたら」なんて名前です。特に、後者は「良いなんたら」とかけられて、もう引っ張りだこです。多分。
まあ、こういうITバブルという奴もとっくに吹き飛んでしまって今は影も形もありません。「どっとこむ」がどっと混んでたのも一時的なものだったわけです。
ところで、「comドメイン」というものが一般的だったからこそ「どっとこむでどっと混む」という千客万来気味な親父ギャグも成立したわけですが、一般的だったドメインがもしそれ以外のものだったらどんな煽り文句になっていたでしょうか。世の中には多数のドメインが存在します。それこそ、国の数だけ。北朝鮮だって「kpドメイン」がありますし、バチカン市国だって「VAドメイン」があります。多数の選択肢がある以上、「どっと混む」以上に訴求力が高そうなドメインというものもあるのではないでしょうか。
という事で、ざっと調べてみました。「どっと○○」という言葉が作れそうなドメイン。例えばアルバニア。「ALドメイン」を使って「どっとある」……ちょっと違うか。品物がたくさんあっても売れなければ意味が無いし、それ以前になんか怪しい中国人風味だし。「どっと売る」で「ULドメイン」とか無いものかと調べてみましたが該当せず。ウルグアイは「UY」で残念賞でした。
アンギラの「AI」、ラトビアの「LV」で「どっと愛」「どっとラブ」というのはちょっとまともそうです。でも、「どっとラブ」なんて素っ頓狂な単語を入力したおかげで、脳裏では「ちょこっとLOVE」がエンドレスリピート中です。精神衛生上よくないので残念ながら却下させていただきます。ほんのちょこっとなんだけど〜。
ウクライナの「UA」で「どっとUA」とも考えましたが、UAにどっと来られても困ります。最近子供番組で歌のお姉さんとして活躍されていますが、あの声、あの歌い方で童謡を歌われても、なかなか慣れません。息子達は違和感無く聞いているようですが、「童謡というものは、あのように歌うものである」という認識をもたれても困ります。
どうもしっくりくる組み合わせがありません。まだ「ST」を使って「どっとST」の方が展開しやすい気がします。ST、「ストなんたら」なんて単語で「どっと」という形容詞と相性がよさそうな言葉。ざっと調べてみてもストライキとかストレス、ストーム(暴風)等、様々なものがあります。って、碌なものが無いな。その他、あんまり「どっと」してない「ストーカー」とか、忘れちゃいけない「ストリップ」、実際に「どっと」しているけどそれはそれで困る「ストリートチルドレン」「ストリートガール」とか。全然「どっと」してない「ストーンヘンジ」とか「ストラディバリウス」なんてものもありますか。これじゃ「.com」を選ぶよなぁ。「.st」選んで「これで御社もどっとストライキが増えます」というのは売り文句じゃないよな。