子供ができて初めて気付くものであって実際はずっと昔から行われていたりするんでしょうが、業種によっては店の中に子供をあやすためのコーナーが設置されていたりします。本屋さんの絵本コーナーなんてのもその中に含まれるでしょう。子供に向かって「どの絵本がいい?」なんて見せながら選ぶ事ができます。ちょっと大き目の本屋だと椅子なんかも置いてあったりするんで、そこでじっくり選ぶ事もできます。まあ、本屋の立ち読み云々はその本屋の好意なので、設置してあるか否かはその本屋の考えで変わってきます。我が家の近所のある本屋は、お孫さんが産まれた途端に子供専用コーナーが設置されたりしたようですが。

本に限らず、もっとちゃんとした子供用コーナーが設けてある店もあります。郊外に建設されるような大型商業施設の類には、子供の遊び場の類が準備されている事も多いようです。その内容は様々。ただ靴を脱いで走り回れるだけの所もあれば、ちょっとした玩具が準備してあるところもあります。玩具屋さんの近くに設けてある場合は、そこの商品の一部が置いてあったりします。ミニカーなどの小さな玩具から、室内用滑り台のような大きな玩具まで、そこのスペース次第でいろいろなものが並んでいます。

しかし、相も変わらず不景気の世の中。玩具完備なんてのは珍しく、遊ぶスペースさえあれば御の字という店も多い中、全然関係無い職種なのに遊ぶ場所をちゃんと提供している職種もあります。自動車販売業、車屋さんです。ただ、この場合は中古車の店は省かれます。新車を売っている店のみ。それでも、ほぼ確実に子供の為のスペースを確保しているのではないでしょうか。

しかし、ごく僅かなスペースであったとしても、準備さえしておけば子供による車への悪戯は減るのでしょう。確かに、あんな店に連れて行かれて何時間も待っていなければいけないとしたら暴れたくなる気持ちも多少はわかります。多少ね。連れて行った側としても何時間も待たされるのは嫌なんですが、さりとてジャングルジムに登ったり滑り台を滑ったりするわけにもいかないし。はらはらしながら子供に付いてまわる必要がないだけましなのかもしれませんが、暇な事には変わりません。

先日、久しぶりに車のディーラーの所へ行ってきました。オイル交換と、あとアクセルの具合がおかしかったんで修理のために。子守りも兼ねて長男同伴です。朝っぱらから行ったんで、他の客は誰もいません。展示されている車で遊びたがる息子を牽制したり、ジュースやコーシーを飲んだりしてぼけっと待っていました。このまま一時間くらい待たねばならんのかと思っていたところ、事務のお姉さんがテレビをつけてくれました。テレビで、正確にはビデオでしたが、トムとジェリーが始まりました。仲良く喧嘩するあれです。困りました。

何が困るのか。子供をあやすには丁度いいではないかと思われるかもしれません。
違うんです。
子供より私が集中してしまうんです。
『トムとジェリー』といえば、幼少時の私が好んで見ていた番組です。七五三の写真では、当時お気に入りだった彼らの絵が入った上着を着ている私が写っています。今でも大好きなそんなもんが始まったら子供そっちのけです。

そう言えば、とある靴屋で子供向けに劇場版のドラえもんが流れてた時も同じような事になってました。息子の靴を選ぶ相方。暇なんで私の気を引こうとじゃれついてくる息子。それらをそっちのけでテレビに集中する私。
「この靴がいいかなぁ」
という相方の問いかけにも
「へ?ああ、いいと思うよ」
等と適当な返事をする始末。いやはや、良し悪しですな。って、俺が全部悪いのか。


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