引越し先の大掃除大作戦。掃除するところは幾らでもあります。と言うか、掃除しないでいいところは全く無い、と言う方が正しいのかもしれませんが。玄関、居間、台所、風呂、それら屋内に留まらず、庭、小屋、納戸等々、時間は幾らあっても足りません。何回かは私の両親にも手伝ってもらいました。いやね、廃棄すべきゴミというものはいくらでも出て来る訳でして、それらの全てを燃えるゴミの日だの不燃物の日だのを待ってたら、ゴミ袋だけで家の中が一杯になってしまいます。という事で、親父のダンプに詰め込んで、業者専用の廃棄物処理方法を使わせてもらいました。2tダンプに山盛りでしたから、結構な量でした。
捨てられるゴミもありますが、捨てられないゴミもあります。庭の小屋の中にあった物入れの中からは、様々な物が出てきました。いやー、初めて触りましたよ。千人針なんて。海軍の唱歌が掲載された小冊子も見つかりました。よく残ってたな、と感心したものです。これらは廃棄するわけにもいかないんで、再度同じ所に収納しました。
そんな具合に毎週毎週こつこつと片付けを行い、どうにか引越し予定日前には人が住めるような環境になりました。現在では一戸建てに家族三人で暮らしています。年代物の住宅というものは人の手が入っていないと荒れやすい、というのは以前も書きましたが、人の手が入って二年ほど経つ現在では特に問題はありません。ええ、今では問題ありませんが、当初はそれなりに問題があったんです。
一番大きな問題が虫。地下水を使用している影響か、はたまた水道の蛇口が古くなって完全には閉まらなくなっているのが原因か、百足や蜘蛛、ナメクジが結構うじゃうじゃといたりしました。蜘蛛はびっくりするくらいで済みますし、ナメクジはうっかり踏んでしまった時に泣く羽目になる程度ですが、百足はそうもいきません。いや、蜘蛛嫌いの相方にしてみれば、ちょっと大きめの蜘蛛が出た日にはえらい騒ぎになるんですが、それはさておき。
一番驚いたのが、天井から大物の百足が降ってきた時。息子を抱っこしてあやしていたんですが、寝室である畳の部屋で「ぽとっ」という小さな音が。(何の音だろう)と思って見に行った私の目に映ったのは、部屋の真中でのたのたと動いている20cmクラスの百足でした。
もうちょっと時間帯がずれれば、昼寝している息子の真上に落ちて来た可能性すらあります。あんな大物に生後半年も経過していない赤子が噛まれればどうなる事やら。ハエたたきで息の根を止めましたが、しばらくは天井に注意して生活してました。あんな大物そうそういるもんでもないとも思いましたが、私はともかく子供に何かあったら大変ですし。いや、実際はあんな大物とそれから数回は向かい合う羽目になったのですが。
大物と数度にわたって対峙し、それらの子孫と考えられる小物とも向かい合い、今ではすっかり百足を見る事はありません。安心して昼寝もできるのですが……たまに天井裏でどたばたと暴れまわる音が。おそらく鼠ではないかと思いますが、一体どうしてくれようか。捕まえて息子に「ほーら、ミッ○ーだよー」などとやるわけにもいきません。
そんなこんなでかれこれ二年以上この家に住んでいる訳ですが、最近再び虫やら小動物やらが湧いてきているようです。ゴキブリもそうですが、冷蔵庫の下に居座っている鼠が。数日前に洗濯機の横から出てきて以来、夜中に移動しているのか台所の様々な所に移動しながら生きているようです。子供達が小さいうちは下手に毒餌を使用することはできません。あと十年くらいすればホウ酸団子が使えますが、もうしばらくは我慢の日々。って、そんだけ経つ前にこの家からは引っ越す予定なんですが。