「鍋は一人で食べるものではないので、日記内で鍋を食した記述があれば、それは複数人で食べたものである」らしいです。仕事中に現実逃避をしながら読んだ文章ですが、実際はこんな文章ではなく、もっときちんとした文章でして、まあそれは今回関係無いから置いておくとして。
「鍋は一人で食べるものではない」
違います。鍋ほど寂しい食卓を救ってくれる料理はありません。いや、「もっと寂しくなる」という意見もありますが。
百円均一の店で一人サイズの土鍋が売られている世の中です。コンビニで一人サイズの鍋料理セットが売られている世の中です。「一人で食べよう、鍋料理」というキャッチフレーズがあるのかないのか知りませんが、今や一人で鍋をつつく姿は珍しいものではありません。
寂しい一人鍋ですが、こんなにも利点があります。
・暖かい
暖かいんです。冷たい鍋料理というのはあまり聞きません。いや、ある事はあるでしょうけど、冬の料理ではないでしょう。「鍋=ほかほか or あつあつ」という等式が成立すると思います。
・安価
コンビニでの鍋セットは除外して考えますが、鍋料理というものは比較的安価にできるものではないでしょうか。ああ、そこ。蟹とか高級な牛しゃぶとか考えないで。ここで考えるのは野菜中心の鍋。肉はせいぜい鶏か豚。牛は勿体無いでしょう。特に冬場になると鍋料理にぴったりの野菜が手に入りやすくなります。白菜や葱なんかはまさに鍋の為の野菜でしょう。
・楽
材料を切り、鍋に投入し、時間が経てば完成。お手軽です。片付けの際も、鍋といくつかの食器くらいしか洗わなくて済みます。お手軽です。御飯を雑炊にすれば食器の数も少なくできそうですが、私がそれほど雑炊を好きではないのでそれは却下。
・満腹
一人用鍋一杯分と、御飯一合、それに味噌汁でもあれば満腹になります。このへんは個人差があるんで「それだけでは足りない」とおっしゃる方もいる事でしょう。そういう方はご自分の好みに合わせて量を追加するのもいいでしょう。御飯を二合にするとか、鍋を二杯分作るとか。
・野菜がたくさん
栄養学的にバランスが良いのかどうか知りませんが、あれだけの野菜を摂取すると「ビタミン盛りだくさん気分」が味わえます。通常の自炊生活では肉料理が多くなるかと思いますが、これだとお手軽に野菜を摂取できます。繰り返しますが、「栄養学的にどうか」ということに関しては全く知りません。あくまで「栄養満点気分」だけです。まあ、いいじゃないですか。「病は気から」とか言いますし。
私が鍋を作るとなると、投入する具は白菜、葱、春菊、えのき、鶏胸肉となります。さすがに仕事から帰ってきてから出汁をとるほど暇でもないのでスープは出来合いのものを購入しますが、それでも費用はそれ程かかりません。一度の鍋料理に白菜を葉っぱ三枚ほど、葱を一本、春菊とえのきを気がむいただけ、そして鶏肉を食べたいだけ、と使っていくと、白菜なんかはほとんど減りません。買い物に行く手間が省けます。ありがたい事です。
しかし、買い物に行く手間を省こうと材料の投入をけちっていると酷い目にあいます。冬場だから大丈夫だろう、冷蔵庫に入れているから大丈夫だろう、火にかけるから大丈夫だろう。そう思ってちょっと古めの野菜を使用すると見事に腹を下したりします。あれは何が悪かったんだろう。葱は異常ないみたいだったけど、えのきはどうだったんだろう。購入より一ヶ月経過した白菜だったのか、それとも触った時に妙にぬるぬるしていた春菊なのか。やっぱ春菊かな。