男の料理というと、「豪快」とか「大雑把」なんてキーワードが浮かんできます。「男の料理」=「アウトドア」なんて等式が成立するように、男性の料理というのは適当な感じがします。しかし、実際はちまちまと自炊をしている男性も存在します。私もそうです。
もっとも、自炊していると言っても毎日こつこつとやっているわけではありません。残業続きで午前様になる日々が続く時期なんかは、どうやっても料理の時間は取れません。そういう時期はファミレスだの、コンビニ弁当だのに頼る事になります。しかし、仕事が一段楽して定時退社の時期になると、食費を浮かすために自炊生活になります。
自炊と言っても、たいしたものを作っているわけではありません。基本的に、週末にカレーを大量生産してそれが続く限りカレー、たまに適当に料理、という品揃えです。毎日毎日カレー300グラム2辛を食べている人を笑えません。あちらは「今日はカツカレーにしよう」とか「今日は豪華に牡蠣フライカレーだ」とかできるかもしれませんが、私は毎日ビーフカレー。トッピングはラッキョウだけです。ちょっと早めに帰宅する日は寄り道をして鳥の唐揚げを買ってく日もありますが、基本的にはカレーのみ、こくまろ中辛です。しかも、現在我が家の鍋に眠っているカレーは10日ほど前に作成したものです。冬場だからいいものの、夏だったらおそらく既に廃棄処分になっていることでしょう。いやね、人参余計に買いすぎちゃって、処分するために10皿分作ったら鍋二つ分になったとか、そういう事情もあるんですよ。もう、減らない減らない。
先日も、このカレーの山と格闘すべく、帰宅途中にコンビニに寄り道をしていました。毎日カレーも飽きますが、節約のためには仕方ありません。仕方ありませんが、惹かれるものがコンビニに並ぶ時期となりました。一人用の鍋セットです。どうしようかなぁ、カレー、まだ大量に残ってるんだよなぁ。でも、鍋もいいなぁ。今日寒いしなぁ。10分程売り場の前をうろうろして、結局鳥鍋を購入しました。カレーは明日にしよう、そうしよう、と。
無論、出社前に炊飯器のタイマーはセットしています。帰ったらほかほかの御飯が出迎えてくれます。出迎えてくれるはずでした。出迎えてくれませんでした。出迎えてくれたのは、2時間ほど保温された生米でした。
自炊経験者なら必ず一度はやった事があるのではないでしょうか。タイマーセットに失敗し、炊飯器のスイッチが「炊飯」になることなく、長時間「保温」のままであった事が。ええ、私も何度となくやらかしております。しかし、ここ最近はきちんと炊飯していたのですが……油断していました。さて、問題はこのあつあつの生米の処分です。以前はお粥にしてみたりもしましたが、今日はそんな気分にはなりません。では廃棄処分か、と思いましたが、そうなると今日食べられるものは先程購入してきた鍋セットくらいしかありません。あとはレトルトの味噌汁と、冷蔵庫の中にある野菜を適当に切ったサラダだけ。野菜は多そうですが、量が不足しています。全然足りません。
しばし悩んだ末に私が下した決断とは。
「買い溜めしておいたインスタントの焼きそばを主食として投入」
かくして、その日の私の夕食は、焼きそば(大盛)、鳥鍋、サラダ、味噌汁ということになりました。さすがに「男の大雑把な料理」と言えども、カレー焼きそばを製作する根性はありませんでした。まだまだ精進が足りないようです。