「蛇の絵を描いて下さい」
そんな心理テストがあります。結構有名ではないかと思われるこのテスト。実際に絵を書いた方も多いのではないかと思います。このテストが何を表しているのか。「あなたのエロ度」というものが分かるらしいのです。蛇がとぐろを巻いていればいるほどあなたはエロいですよ、舌なんか出してたらもうバッチリ、それで模様なんて書いてたらパーフェクト。誰が決めたのか知りませんが、そんなふうに決まってるらしいです。だって、蛇といえばとぐろを巻いてるものだし、舌出してそうなもんじゃないですか。ねぇ。そう思いませんか?思いませんか。そうですか。俺の蛇、完全装備ですよ。

心理テストというものが一世を風靡したのは何年前だったでしょうか。はっきりと覚えてないのですが、私の中では中学生頃に流行を巻き起こしていました。テレビやらなんやらでも様々な心理テストが行われており、いくつか覚えては学校でネタとして披露したりしたものです。

心理テストの歴史は古く、古代中国では既に学問として認められていたそうです。資料にはこのような記述もあります。
「中国に限った話ではないが、古代は政(まつりごと)に神官や巫女などの所謂神事を行う者の発言力が大きかった。しかし、現実には為政者の望む答えを返す事ができる者のみがその座につくことができ、望まない答えを返す者は即座に死を与えられていた。そのため、神事に携わる者の中では為政者の意を酌むべく、その心理を探る術を発展させていった。古代中国ではこの特に心理テストの類が発展しており、第一人者といわれている風魯井賭は、一流の神官としても名高かった。余談ではあるが、心理学者として有名なフロイトは風魯井賭の子孫である事は言うまでもない」」(参考文献:民明書房刊「古代中国心理学」)

当時あれだけ頑張って覚えた心理テストの大部分も、今では忘却の彼方です。しかし、今でも覚えている、忘れられない心理テストがあります。
「あなたは本の中の物語の登場人物です。さて、あなたはその物語の中でどのような役を演じていますか?」
実際は関連していくつかの質問がありましたが、覚えていません。私にとってはこれ以外の質問は些細なものでした。私が件の質問にどのように回答したか。

「主人公の友人。でも『友人1』とかそんなんじゃなくてきちんと名前がついてるような役柄。場合によっては『今度娘が生まれるんだよ』とか『このミッションが終わったら式を挙げるんだ』とか言って写真を見せて、その4ページ後では惨殺されてそうな役柄。さもなくば、序盤は程よく登場シーンもあるのに中盤以降忘れられた存在になり、終盤ではその他大勢と同じ扱いになるような役柄」
わざわざここまで綿密に回答する必要もないのですが、その時は私の頭の中にこれだけのイメージが浮かんでいました。で、ここまで細かく回答した心理テストでどのような事が分かるのかというと……

「あなたの人生」
おいおいおいおい。俺の人生なのに脇役かよ。どんな人生だよ。つーか、主役は誰だよ。俺の人生の主役は俺じゃないのかよ。どんな人生だそりゃ。いや、それよりも、俺の人生の主役、ちょっと出て来い。


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