「アンタップ、ドロー、<<地下墓地のドラゴン>>召還、でエンド」
「アンタップ、ドロー、<<山>>出してエンド」
アンタップ、ドロー、よし、俺もいくぞ。<<炎の嵐のドラゴン>>出してエンド。
「うわ、やばい、殴られたら負ける」

全員集まってMagic: the Gathering。先程と状況が違い、4人で2対2のチーム戦を行っています。状況は我々が有利。召還したドラゴン達が相手を殴り倒せばいいだけです。勝利は目前。だったんですが……

「プレイヤーに<<火葬>>と<<火炎破>>」
……打ち消せない、いかん、ライフが無くなった。
「うわ、あとちょっとだったのに」

またも友人林某にしてやられました。で、今回もこの対戦には何の意味もなかったりします。ただの前フリ。現在は場所を移動して、友人高某の家に来ています。この男、実家住まいでありながら、離れに部屋を持っているために夜中に騒いでも迷惑がかからないという好環境に生息しています。就職したために可処分所得が増加したためかどうか知りませんが、テレビとDVDプレイヤーを新規購入してたりします。「クーラーを買えよ。金の使いどころが間違ってるぞ」と友人松某に怒られたりしてました。私も同感です。暑いよ、ここ。

さて、対戦中は友人高某の製作したMDがBGMとして流れていましたが、丁度いいタイミングで終了してしまいました。別の曲をかけようとした彼に
「友人高某よ、今日はちょっと聞いてもらいたいCDがあるのだよ」
と声をかけました。

以前、某雑文書き殿がサイトを閉鎖された際、2つあった掲示板は両方とも残っていました。そこでの書き込みで、オススメCDとして、私が敬愛するSing Like Talkingのアルバムが挙げてありました。私は嬉しくなって、そしてアルバム名が一部間違って記述してあったので、「売れてないんで買ってあげてくださいよ」という書き込みをしました。すると、その雑文書き殿より、交換条件としてとあるグループの名を出されました。Sing Like Talkingはまだ有名だから、こっちこそ聞いてくれ、と。Advantage Lucy。聞いた事が無い名前です。が、交換条件とあれば仕方ありません。たまたま自宅近くのレンタルCD屋にアルバムが2枚置いてあったので、翌日借りて来て、聞いてみる事にしました。

レンタルだから外れてもダメージは小さいな、と思っていたのですが、ボーナスでアルバム購入、さらにシングルも購入してしまうほどの大当たりでした。これはいい。是非とも彼に教えねば、と今回の帰省には所有する2枚のCDも持って来ました。彼、友人高某は私と似たような音楽の趣味を持っています。私が好んで聞くのなら、彼も聞くのではないか、そう思いCDをセットしました。

開始1分。どうだろう、外れたかな。
「どう？お気に召しませんでしたかな」
「……いい。好き」
当たりでした。

布教活動に成功、ばんざーい……といきたいところですが、手放しでは喜べない事情があります。私と友人高某、音楽の趣味が似通っています。当然、同じCDを買うこともあります。が、彼は気付いていないかもしれませんが、ある法則があるのです。「我々が購入したCDが女性ボーカルだった場合、高確率でその人はフェイドアウトする」というものです。私があまりCDを買わないために、両者が購入しているCD自体が少ないという事情もあります。しかし、それはそれで物凄い引きの良さではないでしょうか。いや、悪いのか。Advantage Lucy。法則に打ち勝つ事はできるのでしょうか。「現状でフェイドアウト気味」という意見は聞かなかったことにします。