「サントメ・プリンシペ共和国」という国があります。アフリカ西部、ギニア湾内にある民主共和国で、赤道直下、高温多湿の国だそうです。1975年に国連に加盟し、言語はポルトガル語、いつのデータかはわかりませんが為替は1ドブラあたり約0.5円だそうです。人口は13万人、面積は0.1平方キロというからけっこう小さい国のようです。ちなみに、私の出身地である熊本県荒尾市は人口5万数千、面積が57.15平方キロです。人口数はダブルスコアで負けてますが、面積では圧倒的勝利です。よかったな、荒尾。人口が2倍になれば国連に加盟できそうだぞ。

なんでまたアフリカの小国のネタを、と思われるかもしれません。私が所有する「cloud.st」のドメイン、この「stドメイン」がサントメ・プリンシペ共和国のドメインなのです。いや、最初は「cloud.com」とか「cloud.org」とか取れないかなぁと探してたんです。でも、どれもこれも既に所有済み。まあごもっともな話ではあります。「cloud」すなわち雲のドメインなんて、どこぞの国の雲研究団体なんかがすでに所有していても何の不思議もありません。で、たどりついたのがサントメ(中略)のドメイン。3日程考えて取得しました。それが昨年の夏頃だったと思います。

この国以外にもドメインはあるわけですから、気合を入れて探せば「cloud.何たら」というドメインはどこかで取得できたと思います。しかし、そこまで気合を入れる気も起きません。英語苦手だし。私がstドメインを取得した理由も、日本の業者が扱っていた、すなわち日本語が通じたからです。我々がネット上でちょいと専門的なことをやろうとする場合は言語の壁が大きいと思います。いやいや、ここで早期英語教育の重要性なんてものを訴える気はありません。かといって、「世界の共通語を日本語にしろ」というそれはそれでどうかと思われるような事を訴える気もありません。日本以外に日本語が通じる国があればいいじゃないですか。例えば、「熊本県荒尾市、日本から独立して国連に加盟」とか。

なんて事を昼食後の睡魔に襲われながら考えていました。我ながらアホです。で、絶対に実現しなさそうですが「荒尾が独立したらどんなドメインだろう」と考えてみました。荒尾市をローマ字表記すると「ARAO」となります。荒尾国であるならやっぱ「arドメイン」となるでしょう。……と思ってちょっと調べてみましたが、arドメインって既にアルゼンチンに取られてます。アルゼンチン共和国。人口3459万人、面積は278万平方キロ。ぼろ負けです。面積なんて桁が違うし。仕方が無い。arドメインはあきらめましょう。残る表記はaaかaoぐらいしかありません。しかし、aoドメインはアンゴラ共和国に取られてます。アンゴラ共和国。人口1107万人、面積125万平方キロ、首都はルワンダ(ルアンダとの表記もあり)です。私には「虐殺があったとこ」といった知識しかありませんが、どっちにしろ負けてます。で、残ったのはaaドメイン。いや、raもあるんですが、せめてaから始めさせてください。調べたところ、aaドメインを取得している国というのは無いようでした。というわけで、荒尾が独自ドメインを取得する際はこの「aaドメイン」を取得していただきたいものです。

このaaドメイン。アルファベット順の表記だと絶対に最初に出てきます。「引越し業者は、電話帳の最初に掲載されるようにあ行の名前を付ける」といった話を聞いたことがあります。どの業者であっても仕事の内容は同じなので電話帳で最初に見つけたところに依頼する客が多いから、という理由があるようです。日本だとあいうえお順なので「アーバン」だとか「アーク」、「アート」等々。「愛と勇気の正義の味方引越しセンター」なんてものもあったと思います。もっともこの業者は「愛と勇気の」の部分が修飾部として扱われたため、電話帳では「せ」の場所に掲載されていると聞きました。話を戻しますが、aaドメインを取得した場合、この引越し業者と同じような意味を持つのではないでしょうか。「ドメインなんてどこの国のものでも一緒だ」ということで、リストの一番最初にあるaaドメインを取得しようとする、とか。やったぞ、荒尾市。お客さんがたくさんいるかもしれないぞ。……いや、だから独立なんかしないんだって。


トップ 一覧 前の雑文 次の雑文