私と奥さんは同世代、と言うか同年齢です。同じ時代を歩んできました。子供の頃の事なんかを話す際に、余計な説明が必要ないというのは非常に便利です。奥さんの友人には、旦那さんとの年齢差が10歳近くという方もいらっしゃるようで。例えば我々にとっては「おにゃんこクラブ」というものは「平日の夕方にテレビでなんかやってた」、付け加えると「私はそのテレビ番組を一度も見た事がない」ものです。いや、幼稚園ではその番組を見てた子もいたんですよ。だから存在くらいは知っているんです。ただ、それ以上は知らないんで、10歳年上の旦那さんとは微妙に話が噛み合わないのです。
共におにゃんこクラブにはいまいちピンと来ない我々夫婦。でも、ピンと来る話題もあります。「同世代だから一緒に話が弾むニュース」というと芸能関係のニュースが多くなります。それも、どちらかと言うとゴシップ的な話題が。近年だと「小室哲哉逮捕」でしょうか。彼の全盛期を知る年代ですので、その日はその話題ばかりでした。朝の新聞で事実を知り、そして夜のニュースをハシゴして。10歳差があるとこういうピンと来る話題の対象も微妙にずれているのではないかと思います。
先日、やはり一緒にピンときた話題が酒井法子の一連のネタです。初期の「どこに逃げてるんだろう」から終盤の「どこまで波及するだろう」まで、不謹慎ですが夫婦で楽しんでおりました。なにしろ相手は昔から知っているアイドルです。年代的には「デビューした頃から知っている」と言ってもいいのですが、実際にはデビュー当時の頃はよく知りません。今回の件で資料映像として「のりピー語を喋る酒井法子」というものを見たのですが、その感想は「あんな棒読みだったのか」でした。蟹座のデスマスクの方がもうちょっと感情込めて喋る気がするぞ。
「自分達が知っているアイドルが逮捕」されたわけですが、その知識量には夫婦間でも差があります。私にとっての酒井法子とは、「『蒼いウサギ』を歌って、手話でドラマに出てて、あとアジア方面でブレイク」くらいでしょうか。もともとドラマを見る人ではないのですが、あのドラマに関しては当時友人がやたらと絶賛していたため、見る機会はなくとも知ってはいました。また、楽曲に関しても当時は結構耳にする機会がありました。この事件の影響でまた大ヒット御礼中らしいですね。あと、「アジアで大ヒット」はこう、「落ち目のアイドルが頑張ってます」的な文脈で。
どちらかと言うと薄い知識量なため、今回の件で各種ニュースサイトやまとめサイトにあったある記述がどうしても理解できませんでした。「何故、『小雪』という単語が頻繁に出てくるのだろうか」と。小雪って、あれでしょ。女優の。「えすけーつー」とか言って化粧品のCM やってる。あと、テレビのCM もやってる。たしか「ラストサムライ」とかにも出演した。ありったけの芸能知識を披露してみました。私にはこれが限界です。で、酒井法子と小雪は、私の中ではどうしても繋がらないのです。顔が似てるとか実は親戚とか、そういう感じではなさそうですし。ちょうど逮捕のニュースを一緒に見ていたので、ついでに奥さんに尋ねてみました。なんで「小雪」呼ばわりなのか、と。
え、ドラマ?そういう役名?常識なの?そんな有名な役なの?いや、俺ドラマ見ないし。同世代であろうが同年齢であろうが、結局噛み合わない話題は発生するのです。いやしかし、そんなもんが常識なわけあるかと言い返したいのですが、頻繁に役名が出ていた事を考えると本当に「知ってて当たり前」なのかもしれません。知らない方が珍しいのかもしれません。まあ、当時はドラマ全盛期だったしね。
奥さんも私がドラマを見ない人だと知っているためそれ以上突っ込みはしません。そんな話をしている間にも、テレビの中では出演者の話が続いています。で、その番組、出演者の一人がビートたけしだったんですね。「酒井法子逮捕」直後の番組だった事もあって、ビートたけし本人も自分が逮捕されたときの事を話し始めたのです。「俺が殴りこみに行って逮捕されたときは」みたいな。それを聞いて奥さんが不思議そうに私に聞いてくるのです。「ビートたけしって、逮捕された事あるの?」と。
いやいやいや待て待て待て。何故知らないんだ。ほら、風雲たけし城とかでビートたけしの着ぐるみが出てたじゃないか、とか言っても「そうだったっけ」と。ビートたけしが雑誌編集部に殴りこみに行って逮捕されたって事は、我々の世代では常識ではなかったのかと。それこそ、「酒井法子は『小雪』という役名のドラマに出演していた」よりは知名度の高い出来事ではないか。それとも「ビートたけし逮捕」が常識となるのはもうちょっと上の世代なのでしょうか。そう、だいたい10歳上くらいの世代とか。