家族の中で、親子の間には遺伝子の類似性が見られます。だって親子ですから。この場合は、一般的な親子関係のみ述べています。コメントに困るようなパターンは無視します。で、兄弟も一般的に遺伝子の類似性が見られます。大抵は同じ父母ですから。そして、夫婦には遺伝子の類似性は見られません。もともと他人ですから。だから「一般的な」って言ってるでしょ。コメントに困るようなパターンは無視って最初に言ったでしょ。

近年ではDNAの解析なんてものも行われており、その結果「病気の原因になる遺伝子」というものも見つけられています。「この遺伝子があるとなんとか病にどれだけかかりやすくなりますよ」とかいうアレです。親戚同士で結婚したりするとそういう遺伝子が表に出て来やすくなって、病気にかかりやすくなってしまいます。中世ヨーロッパのどこぞの王族は、近親婚が続いた結果厄介な病気を複数抱えてしまい、結果滅亡したなんて話もあります。やっぱ危険な配合は駄目なんだよ。牧場長も止めたじゃないか。

牧場長はさておき、競馬の世界では積極的に近親配合が行われています。インブリードという奴です。「ナスルーラのクロスが気になりますが」という奴です。と言っても兄弟姉妹で仔をなすような事はありません。せいぜい曽祖父とか、さらに一代上が同一馬というレベルです。名馬の血量を意図的に多くして、そうしてその名馬の特徴をより引き出そうという考え方です。えーと、ひい爺ちゃんとひいひい爺ちゃんが同じだったら3×4で奇跡の血量18.75%で名馬誕生でしたっけ。そんな俗説もあるくらいですが、「近親配合は体が弱くなる」とも言われており、そういう視点からあえて血が重ならない、アウトブリードという方法をとる場合もあります。

まあ人間ではインブリードなんてのはあまり関係ないでしょうから難しい事は抜きにして、子供には親の特徴半分こくらいで考えればいいと思います。ただ、この「半分こ」が「いいとこ取りで半分こ」といかないのが世の中。似なければいい点に限って似てしまうものです。

我が家の場合、比較的父親似の長男と、比較的母親似の次男に分けられます。分類の方法はいろいろありますが、今回の分類は「病気への耐性」。家族間でグループ分けすると、私と長男は似たような病気に似たような時期に感染する事が多いのです。そして、床に伏せる二人を横目に平然と日常生活を送る残り二名。丈夫な奥さんに似てくれていれば、床に伏せるのは私だけで済んだのですが仕方ありません。以前も二人だけ狙い撃ちされたのですが、今回も二人だけです。

先月後半、長男がよく分からない病気にかかりました。熱がダラダラと一週間くらい続き、後半になると咳がひどくなる。病院に行っても「性質の悪い風邪でしょう」とかしか言われない。さすがに一週間もすると「念のためインフルエンザの検査をしておきましょう」と言われたものの、結果は陰性。連休直前にどうにか治ったとは言え、どうにもよく分かりませんでした。そして、連休明けから私がよく分からない病気に。体温が37度から39度を乱高下。熱が落ち着く頃からだんだん咳が増えてきた。インフルエンザの検査結果は陰性。血液検査でもはっきりとした原因は見えず。どちらも「詳細不明の病気」ですが、どうも長男の病気に似ている気がするのです。

で、同じ家に住んでいるのに、私たちだけなのです。特に次男なんかは同じ部屋で兄弟一緒にいるのに感染しないのです。多分、遺伝子レベルで何かが違うんです。「病気のかかりやすさ」とか、そんなのが。パラメータ的に言うと「健康:C」ではなくて「感染しやすい病気タイプ:CL-37、OPW-25A」とかそんな感じ。私と長男が同じ病気タイプであって、奥さんはそれ以前に「健康:A」だったりすると思うのです。不健康、かつ似た病気にかかりやすい私と長男、そもそも健康な奥さん、健康かどうかはともかく同じ病気にはあまりかからない次男。我が家はそんな構成になっています。遺伝子の多様性って大切ですね。おかげで、長男と二人で潰れても奥さんに介抱してもらえます。

それにしても、奥さんの健康っぷりを受け継いでくれていれば、せめて長男か次男のどちらか片方でも受け継いでくれていれば、それも無理ならせめて半分くらい健康体ならば。長男の体調が回復し、そして入れ替わりで私の体調が悪くなりだした頃、次男は全く別の病気で体調を崩していました。次男は症状が私たちと異なるものであり、さらに病院で咽頭炎だと診断されたため私や長男とは別の病気であるという事は分かりました。同じ病気にかかるわけではないものの、決して健康体ではないわけです。「健康:A」と「健康:C」があるのに、より良い方である「健康:A」ではなく、メリットがあるわけでもない「健康:C」です。似なくていい「不健康」が見事に受け継がれているわけです。せめて、足して二で割った「健康:B」くらいでなんとかならなかったのでしょうか。


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