昔から、テレビ番組のごく一部ジャンルとして「ゲーム番組」というものがあります。新作ゲームの紹介だったり、視聴者を巻き込んだ対戦だったり。もっと昔には「パソコン番組」というものもありましたし、時代が下れば「ゲーム番組の衛星放送」なんてものもありましたが、どちらも現存しないんで省略。「どちらも見た経験がない」というのもあります。「パソコンサンデー」しかり、「サテラビュー」しかり。
ゲーム番組というものは現在でも放送されています。ひょっとしたら唯一かもしれない、地上波で定期放送されている番組が「ポケモンサンデー」です。毎週日曜日の朝からポケモン関連の情報を放送しています。内容はアニメの再放送だったり、出演者のコントと言うか掛け合いと言うかとにかくそういうやり取りだったり、あと視聴者やゲストを交えたポケモンの対戦会だったり。うちの息子達は毎週欠かさず見ています。「ポケモンサンデーに出て、しょこたん部長と対戦したい」とまで言ってました。しょこたん部長こと中川翔子氏、やたら強いそうですが大丈夫でしょうか。しかもなかなかエグい戦い方をするそうなんで、実際に対戦したらボコボコにされて涙目どころか泣き出してしまうのではないかと思うのですが。まあ、実際に対戦する事はないでしょうから杞憂ではあります。
息子達は息子達でゲーム番組を見ていますが、親父は親父でまた別のゲーム番組を見ています。CSで放送されている「ゲームセンターCX」という番組です。以前からCSの番組ガイドその他でタイトルだけ見て気になってはいたものの、なにしろ放送時間が深夜ということもありなかなか視聴する機会はありませんでした。しかし数年前、たまたま地上波で放送されているときに見る機会があり、それ以降ずっと見ています。当時は「知る人ぞ知る」といった存在でしたが、いつの間にやら「ちょっと詳しい人ならば知っている」を通り過ぎ「該当チャンネルの看板番組」くらいの扱いになっている名物番組です。番組の内容はというと、特定のゲーム一本を有野課長ことよゐこの有野晋哉氏がクリアしていく過程を流し続ける、というものです。途中に箸休め的なコーナーも混ざってたりしますが、基本的には早送りされるような部分です。で、この番組のメインであるゲーム攻略。この対象のゲームの多くは古いゲーム、所謂「レトロゲーム」となっています。ファミコンだったりスーファミだったりメガドライブだったり。この「昔懐かしい」ゲームを対象としている点が、番組の人気の一つと言えるでしょう。
かつては録画してから一人で見ていました。んで、居間で見ていれば当然奥さんも興味を持って、気が向いたときには一緒に見るようになります。そんな話を友人にしたところ、「話には聞いた事がある番組だけど、実際に見た事がない」と言われました。おう、それは勿体無い。ならば私のコレクションからいくつか貸してあげようではないか。という事でHDD レコーダーのストックからDVD にコピーして友人に渡したのですが。詳しい説明は省略しますが、CS からHDDレコーダーに録画するとコピー制御がかかってしまって、そのせいで録画した番組をコピーしたDVDはちょっと特殊なDVDプレイヤーでないと再生できないのです。いろいろと回避策も調べてみましたがいい案はありません。止む無く、「安物の『特殊なDVD プレイヤー』を購入し、それとセットでDVD貸出」という手段をとることにしました。「特殊なDVD プレイヤー」とは言いますが、法に触れるようなものではありません。「CPRM 対応プレイヤー」という種類の代物ですが、それだけ書いたって得体の知れないものであることには変わりありません。
もともとは一人の友人の為に作成していたDVDですが、いつの間にやら地元の友人達数名の手にも渡っているようです。「あ、今は俺が借りてる」とか言われます。あんまり広まりすぎると「カジュアルコピーだから法に触れない」とか言い張れなくなるんでそのへん勘弁してください。今のところごく限られた友人内で流通しているだけなので問題ないと言い聞かせていますが。それにしてもここまで好評だとは。やはり対象としているゲームが我々の世代に直撃しているせいもあるのでしょう。あと、みんな程度の差はあれ基本的にゲーム好きであるという点も。
さて、先日の事。夕食後、寝室でベッドに寝転がってゲームをする私を息子が呼びに来ます。まあその要件そのものはどうでもいいのですが、居間に移動した私の目に映った物は。伝説的クソゲーと呼ばれたファミコンソフト「たけしの挑戦状」のゲーム画面です。一秒ほど映像を見て音楽を聞いただけで判別できるのもどうかと思いますが、いやそれより何故この画面が。と、混乱する私の耳に有野課長の声が。そうだ。「ゲームセンターCX」の生放送特番があってるんだった。そしてそれを予約録画しているんだった。たまたま息子達がチャンネルを変えていたらその番組が映り、それに息子達が興味を持っているようです。「なんだこのゲームは」と。
思わぬところで息子達も興味を持ったようですが、それはさておきこの放送分もDVDに移さないといけません。いつもは通常放送しているものを数回分まとめて一枚のディスクにするのですが、今回は番外編、特別編ということですのでこれだけで一枚のディスクにしましょう。となると、いつもケースに書いているタイトル表記も変えなければいけません。いつもであれば番組名「ゲームセンターCX」の省略形である「GCCX」、そして放送回数、例えば第10回であれば「#10」というような書き方です。でもこれは特別編。連番では書けません。しかし、長々と日本語で書くのも面倒です。やはり省略形でしょう。だってほら。たくさん字を書くとおててが疲れちゃうから。
まずは番組名。小さく「GCCX」と書いておけばいいかもしれませんが、どうせいつも同じ番組ばかりなんで省略しても構わないでしょう。放送時間である「二時間」は「2H」とでも書いておきましょう。「2 Hour」の省略形です。で、「生放送」だから「生」。「放」とか「送」とか書いても仕方ありませんからね。あとは「特番」だったんで「スペシャル」と書けばいいでしょう。という事で出来上がった文字列が「2H 生スペシャル」。「生SP 二時間」とかでもいいかもしれませんが、そこはかとなく淫靡な香りが漂っているのは気のせいです。我が友人達の奥さんだか彼女さんだかお母さんだかお姉さんだか妹さんだか、とにかく身内の女性の方々、彼らの身の周りにそういう怪しいDVDがあったとしても中身はゲーム番組なんで気にしないでください。たとえ、一緒に積んであるDVDに「ロッキー 16」とか書いてあっても。映画に興味がないのに何故か「男はつらいよ」と書かれたDVDが、しかも100枚くらいあったとしても。