もう年も明けようかというのに今更ですが、まあその辺はあまり気にしないでください。

2004年のクリスマス。幼稚園に入園して様々な刺激を受けた長男には実質的に初めてのクリスマスとなりました。それまでは積極的に「サンタさん」という人物の存在を教えていたわけではありませんでしたので、「誕生日以外にもケーキが食べられる日」という程度の認識でしかなかったはずです。

しかし、今年は違います。「いい子にしてたらプレゼントが貰える」という知識を得ています。幼稚園の先生が教えてくれたのか。はたまたお友達との会話で出てきたのか。どちらか定かではありませんが、とにかく「クリスマス = プレゼント」の公式が成立してしまいました。

師走も半ばとなった頃。相方経由で長男がサンタさんに望んでいる物を聞きました。なんでも「ポケモンのCD」が欲しいとか。
……CD?
どういうことだ、歌でも聴きたいのだろうか。

推理していくと、どうやら劇場版アニメが収録されたDVDの事ではないかという結論になりました。なるほど。形が似ているし、アニメを録画したビデオは頻繁に見ているし、そういう事なのでしょう。しかし、唯一にして最大の問題が。我が家にはDVDプレイヤーはないのです。だから、そんなものをサンタさんに持ってきてもらっても鏡代わりに使うしかありません。

そもそも、今年のサンタさんは長男に「仮面ライダーの剣(音声有り)」を、次男に「アンパンマンの玩具セット」を持ってきてくれる予定です。その他、お菓子やポケモンのシールセットも持ってきてくれる予定ですが、その予定のどこを覗いても「ポケモンのCDもしくはDVD」はありません。希望しているものは貰えませんが、その辺は妥協してもらうことにしましょう。たぶん納得してもらえるはずです。

プレゼントというと、調達の都合上、師走の上旬に準備が終わってしまったために、相方は「早くプレゼントをあげたい病」にかかっておりました。曰く「早く喜ぶ顔が見たい」だそうですが、そんな理由でひょいっとあげるわけにも行きません。あくまでもサンタさんからのプレゼントですから。「サンタさんはお菓子だけにして、大物を先にあげればいい」なんて言ってましたが、私としては自分の幼少時と同様、「大物とお菓子セット」という組み合わせであげたいのです。喜ぶ顔が見たいのは私も同様でしたが、ここは堪えてもらう事にしました。

さて、当日。サンタさんはちゃんと枕元にプレゼントを置いていてくれました。前日の長男は昼寝をしなかったらしく、そのせいで早めの就寝、早めの起床となったようです。まだ外は暗い時間帯、夢うつつの中で母親に尋ねる声が聞こえていました。

「あれ、これは?」
「あら、サンタさんが持ってきてくれたのかな。もうちょっと寝てから見てみようか」
「うん」

説得されて二度寝を……するほどおとなしい子ではありません。しきりに「もう見ていいかな」と聞いています。とうとう根負けして布団の中から出て行きました。

箱を開けるたび、缶を覗くたび、歓声が聞こえます。どうやらサンタさんのプレゼントはお気に召してくれたようです。しっくりくるものがなかった次男のプレゼントも問題なかったようです。肩の荷が下りたような、安心したような、そんな気分になりました。

が。
サンタさんから初めてプレゼントを貰えて喜ぶ長男は、こんな事を言ってたようです。
「パパ、いっぱいプレゼントくれたね」と。
どうも、「サンタさんは『ポケモンのCD』を持ってきてくれる。でもここにあるのは『ポケモンのCD』ではない。という事は、この玩具やお菓子はパパがくれたんだ」という考え方だそうで。ちゃんとサンタさんからのプレゼントだと言い聞かせましたが、微妙に核心を突いてくるとは。うむむ、来年は一年遅れで『ポケモンのCD』を持ってきてもらう事にでもしましょうか。


トップ 一覧 前の雑文 次の雑文