熟年離婚というものがあります。旦那さんが定年退職したあたりで、奥さんも「妻」という職から退職するというものです。旦那さんが家庭のことをほったらかして仕事一筋に生きた結果、そういう結末が待ち構えていてどうにもこうにもならなくなったとか。そういうお父さんたちは家事をしていなかったため、台所のどこに皿が置いてあるかもわからなかったりするそうです。
さて、現代の夫婦である我々。最近めっきり料理をしなくなった私ですが、その分育児には協力しています。休日出勤が多くなると日曜日くらいしか休日はありませんが、その日曜日には疲れた身体に鞭打って子供と遊んであげてます。
……今、背後に殺気を感じたんで訂正。疲れた身体と相談しながら適当にほったらかしたり遊んだりしてます。そんなにいい父親ではありません。
いい父親ではありませんが、それなりに息子達の世話をしています。次男のオムツ替えだってやってます。このオムツ替え。ご年配の方々、特にお婆さん達の前でやるとなかなか好評です。「今のお父さんはオムツも替えられるんだねえ」と。私は長男の時もやってたんでそんなに凄い事とは思いませんが、ここは男尊女卑の土地と言われる九州。昔はいろいろと苦労されたようです。
オムツ替えの他にやってる事というと、食後の皿洗いでしょうか。これは、平日私だけが食事の時間が違うため、「二度も洗うのは面倒だ」という相方の意見のもとにやらされていた事です。ただ、この作業は今年我が家に導入された食器洗い乾燥機様のご活躍により、「食器を突っ込んでボタンを押す」という内容になりました。大きい鍋やフライパンなんかは手洗いの必要がありますが、それでも今までと比べたら洗う量なんて比べ物になりません。食後に開始ボタンを押し、就寝前に自然乾燥をさせると翌朝にはなかなかきれいに仕上がっています。たまに洗い残しもありますがそれはご愛嬌。洗いあがった皿の片付けは相方の仕事です。長男も喜んで手伝っているそうです。息子よ、お前は騙されてるんだぞ。
手伝ってはいないものの把握できるほどの数しかないため、我が家の皿のありかはちゃんと把握しています。きっと熟年離婚とは無縁……のはずですが。
私の実家は今年台所をリフォームしました。台所と居間を仕切っていた壁がなくなり、新しいシステムキッチンが台所を占拠しています。さて、このリフォームでちょっと困った事になりました。皿の場所がわからないんです。
今まであった食器棚は、台所と居間を仕切っていた壁、つまりなくなった壁に面していました。壁がなくなったんで、当然食器棚もなくなります。その食器棚の中に入っていた食器類は新しいシステムキッチンの中に仕舞われたはずなのですが、どこに何が入っているのかがまだ把握できていません。麦茶が飲みたいと思って棚を覗いても、皿や鍋しか見つかりません。引出しの中にも、綿棒や輪ゴムしかありません。コップは、コップはどこにあるんだー。
「そこ。そこのカウンターの隣の棚」
ありがとう、我が相方よ。さすが、実家だけあってばっちり把握しているようです。ところで、ここは私の実家だと思ったんですが、何故私よりあなたの方がいろいろと把握していらっしゃるのでしょうか。そりゃ、嫁と姑の仲が良好である事はめでたいのですが馴染み過ぎでは。