長男は金曜日の昼前に誕生しました。年明け早々だったため、仕事始めの日にちゃっちゃっと仕事した後、再度実家に戻ってくる羽目になりました。予定日は年末ギリギリのはずだったんですが、どうにも腹の中が居心地がよすぎたようでして。一週間ほど長居をしていました。

金曜日の朝。産婦人科からの電話に叩き起こされた私は、車に飛び乗り産婦人科へ向かいました。ええ、寝癖も直さないまま。前日に実家に戻ってきてそのままの格好で寝ていたので、着替える必要はありませんでした。

相方の部屋に到着し、しばらく様子を見た後、いよいよその瞬間です。んで。何の違和感もなく私も付いて行ってしまいました。

出産のしばらく前。テレビで「密着、出産ドキュメント」みたいな番組があっていました。うむうむ、こういうふうにやるのか。ほうほう、立会いも撮ってるのか。なるほど、こういうふうになるのか。テレビの中のお父さんは大変そうです。白衣とはちょっと違いますな、あの、なんかこう、手術する人が着ているような服、正式名称を知りませんが、それに身を包み、帽子を被り、マスクをはめています。

翻って、現在進行形で分娩室の中にいる私の格好は。毛玉が出てきているセーターに、寝癖がついているであろう髪。手の消毒すらしていません。なんか、想像していた「旦那様の出産立会いシーン」とはいささか異なるようです。しかも、ピーピー喧しい機械の操作までやってるし。あれ、腹の中にいる子供の心音なんかを測定する機械のようだったのですが、子供は腹の中で暴れているから当然測定不能になることもあるわけでして。んで、そうなるとアラーム音が鳴るわけです。助産婦さんは忙しそう、相方はそれどころじゃない、俺は暇。ええ、暇だったんで尚の事、そのアラーム音が気になるわけです。

んで、特に問題もなさそうだったんで、助産婦さんの真似をしてピッ、と。怒られないどころか感謝されたんで、問題なかったのかな、と。今でもちょっと不思議です。まあ、長男は無事に出てきたんで結果オーライです。途中で突っかかって難儀したりしたようですが。

んで、次男も同じ産婦人科で誕生する予定でした。しかし、予定日よりも一ヶ月以上早い破水。その週末に相方たちを実家に帰そうと予定していた矢先の出来事でした。仕方がないんで近所の産婦人科に担ぎ込み、「あと数日は腹の中にいてもらうようにする」という方針に決まったところで一旦自宅に戻りました。ああ、明日は長男を実家に預けに行かないとなぁ、と。

そしたらあなた。午前三時に電話ですよ。「もうすぐ産まれそうです」ですよ。おいおいおい、お前の兄貴は一週間も滞在延長したというのに、お前は一ヶ月も早くチェックアウトですかい、と。ばたばたと身支度を整え、長男と共に産婦人科へ急ぎます。多少手間取ったとは言え、20分もかかっていないはずなのですが。

産婦人科についてからの始めにかけられた言葉は「さっき産まれましたよ」でした。せっかく出産に備えてあんなネタをやろう、こんなネタをやろうと考えていたのに。そんなあっさり出てこられても、と。どこに愚痴っているのかわかりませんが。

今回の出産は、もともと立会いの予定はありませんでした。タイミングよく週末に産まれるんだったら、立ち会えるかな、と。どうにも平日一日潰すほどの時間的余裕が無さそうだったもんで、そんなふうに考えていました。しかし、こんな事ならひょっとしたら立ち会えたかもね、という風な話を相方にしてみました。しかし、そうはいかないようです。

相方曰く、その産婦人科の方針は、「講習を受けないと立会いは許可しない」であるとの事。「講習?なにそれ?」である私にはそもそも立会いの権利すら無かったわけです。いや、そもそもそこで講習を受けていたところでどうせ地元の産婦人科で産む予定だったんですが。しかし、そう考えると地元の産婦人科って結構いい加減だったのかな、と思います。まあ、ね。いい加減万歳。ちゃんと産まれてるんだから結果オーライですよ。はい。え?オチが無い?いいんですよ。ちゃんと産まれたんだから。よく分からない言い訳ですが。


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