かなり昔の話です。だいたい5年ほど前でしょうか。
関東方面の方はご存知ないかもしれませんが、「探偵ナイトスクープ」という有名な番組があります。
ある時私がその番組を見ていると、「缶蹴りに勝てない。缶蹴り必勝法を教えてくれ」というネタをやっていました。
「ほう、缶蹴りねぇ」と思いながら見ていたのですが、まぁ面白いこと面白いこと。大笑いしながら見ていました。そして、この時私の中にある欲求が生まれてきました。
「缶蹴りしてぇ」
実家に住んでいた私にはそういう馬鹿なことをする友人には事欠かないはずでした。その数ヶ月前には近所の公園で友人達と壁当てで遊んでましたし。通りがかった小学生は呆れて見てましたけど。
ひょっとして、壁当てってローカルな遊びなんでしょうか。念のためちょっと説明しておきましょう。
・参加者(3名以上。10人までが限界)は各自自分の番号を持っておく。
・適当な人が誰かの番号を言いながらボールを建物の屋根、もしくは壁に当てる。
・番号を呼ばれた人間はボールをキャッチする。ボールが地面でバウンドするまでにキャッチできたら、その人は再度番号を言いながらボールを投げる。
・ボールがバウンドした場合は、ボールを取らなければいけない人間(以降「鬼」)はボールを取った後で「ストップ」と言う。言われるまで他の参加者は遠くへ逃げる。
・鬼はあらかじめ決められていた歩数(地域ごとに異なる)だけ進み、他の参加者にボールを投げつける。
・ボールが当たった場合、当てられた人は1点。キャッチされる、避けられるなど、当たらなかった場合は鬼が1点。
・点数が一定値に達した場合はその人は全員からボールをぶつけられる。
ざっとこんなとこでしょうか。それにしても、文章にするとなかなか難しいな。実際は「わざとボールを落とす」とか、「あまり逃げすぎるとそれはそれでデメリットあり」など、結構戦略的ではあるのですが。
あ、他にも
・ボールが屋根に引っかかったりしたら弁償
なんてルールもありました。
この壁当て大会を行ったのが、みんなが高校を卒業した年の春休み。要はすごく暇だったのです。
で、缶蹴り大会開催を思い立ったのがその数ヵ月後でした。当時の参加者はバラバラ。就職したもの、進学したもの、予備校の寮に叩き込まれたものと、当時のように暇な人間はそうそう集まりません。
そんなわけで、現在にいたるまで開催できないまま。私の缶蹴り欲は解消されないままです。
もし、今やるとしたら。
おそらく翌日は筋肉痛で完全に行動不能でしょう。日曜日にやったとしたら、月曜日は有給休暇確定です。やるとしたら土曜日でしょう。
それとも、走らずに車を使うとか。
・各自1台ずつ自分の車を用意。
・会場は市町村単位。隣町は不可。
・缶を蹴る時は車から降りる。車で踏んでは駄目。
・鬼は携帯電話での連絡を許可。逃げる側は不可。
・日の出から日没まで。
・スピードは各自の良心に任せる。
・カーナビ禁止。行き止まりに入ったらあきらめよう。
……実際にやるとしたらただの近所迷惑な集団だな。